30年も前の本「阿波狸列伝」が面 白い

  • 2015-07-05 ( Sun ) 06:35
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三十数年前に読んだ狸合戦の本。たまたま本棚で見つけて引っ張り出し再読。
ちょっと誤字もあったりするが、これが実に面白い。当時も夢中になった。
阿波狸列伝1・風雲の巻は昭和34年に東京の書房から出版され、その後、昭和54年に
徳島で復刻版で出て、あわせて残りの二巻が出版された。
阿波狸列伝2・変化の巻(昭和54年)と阿波狸列伝3・通天の巻(昭和54年)。
これらは、地方での出版だし、おそらく絶版になっているでしょう。

作者は、三田華子さんという徳島市出身の小説家(1900年-1983年)。一家で東京に移られていたが、戦争中は徳島に一時疎開していたらしい。30歳を過ぎた頃に日本大学文学部へ入学、在学中に小説「石切場」が芥川賞候補にもなったとか。
徳島の民話や伝説に取材した郷土色豊かな作品も書かれています。

ところで、阿波狸合戦というのは、江戸時代末期に阿波国で起きたという狸たちの大戦争の伝説(*)。
映画にもなっています。1939年に新興キネマ「阿波狸合戦
」と1940年「続阿波狸合戦」、1952年には大映「阿波狸屋敷」と1954年「阿波おどり狸合戦」。1958年には新東宝「阿波狸変化騒動」。1994年にはジブリ「平成狸合戦ぽんぽこ(阿波狸合戦の一部)」など。

で、この阿波狸列伝は、伝説・民話「阿波狸合戦」のその後の話になっています。

二回に及んだ四国・阿波での覇権を争う大合戦も終わって平和になっていた狸界だったが、悪行を重ねる妖怪狸が権力を我が物にしようと妖術で暗躍。
以前の狸合戦の後に平和な狸世界を築いた二代目達が、その卓越した仙術と武術を駆使して妖怪狸たちと戦って、再び平和を取り戻します。

物語の舞台は、徳島県の山奥である剣山から高城山轟き九十九滝など広範囲におよんでいます。こちらでの山歩きで親しんでいる場所が次々と出てきて、それもまた楽しい。

*阿波狸合戦のあらすじ
 いまの小松島市に棲んでいた金長狸を大勢の子供達が巣から突き出そうとしているのを通りかかった染物屋茂右衛門が救った。
 恩義を感じた金長が丁稚に憑いて店の繁盛に貢献。何年かたち、金長は自分はまだ無位無官の若造であり、狸としての位を高めるため、いまの徳島市津田町に屋敷を構える阿波狸の総領六右衛門に弟子入り。
 金長の才能はめきめきと伸びていき、六右衛門は密かに金長を恐れて、娘婿に取り込もうとするが、金長は茂右衛門への恩を返すため養子は辞退。
しかし金長をこのまま帰してはいずれ大きな脅威になると、片付けるようとする。
ほうほうのていで自分の家に逃げ帰り、日頃から六右衛門の非道ぶりを好ましく思っていなかった狸たちとともに立ち上がった。
激怒した六右衛門との戦いの火ぶたは切られ、勝浦川を挟みで3日3晩死闘。
そして、遂に金長は六右衛門を討ち取ったが、金長もまた傷つき死亡。
しかしこれで合戦は終わらず、六右衛門の息子千住太郎が武者修行から駆けつけ、敗れ去った六右衛門軍を再召集。二代目金長軍もこれを迎え討つ。
合戦が再開されたが、千住太郎の師匠だった屋島の禿狸が仲裁に入り、人物じゃなく狸品格に優れた千住太郎と二代目金長は平和のために手を結び、ようやく合戦は終結を迎えた。

例えば、この記事を書いたのはこんな人

タグ: 六右衛門 三田華子 金長 阿波狸合戦 阿波狸列伝

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