セリエA第35節 ミランvsローマ

  • 2015-07-13 ( Mon ) 00:50
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伊紙、2アシストの本田に称賛の嵐「ミランのプレーを劇的に変化させた」

■マッチプレビュー

前節デ・シリオのセリエA史上最速退場もあってナポリに惨敗し、リーグ戦3連敗中のミラン。EL出場権獲得すら絶望的となった中、強豪ローマ相手に6試合ぶりの勝利を目指す。メネーズとデ・シリオが出場停止のため欠場となった中、インザーギ監督は最前線にデストロを戻し、右SBにアバーテ、左SBにはアントネッリがスタメンに復帰している

ドゥンビアとフロレンツィの2試合連続ゴールで連勝中のローマ。ラツィオとのCLストレートインの2位を争う中、勝ち点3が必須となる試合にガルシア監督は連勝中のスタメンをそのまま起用。エースのトッティは引き続きベンチスタートとなり、3トップにはジェルビーニョ、ドゥンビア、イバルボを起用している

■序盤の主導権はローマ

立ち上がりからこのところ調子を取り戻しているローマが積極的な入りを見せ、左サイドのジェルビーニョの突破を軸としながらデ・ロッシやフロレンツィなど後方の選手も飛び出し、ミランゴールへと迫っていく。ローマは普段通り後方での丁寧なビルドアップによって試合の主導権を取りにかかり、こだわりのあるサイドでの三角形を作り出す形でボールを運び、それを利用するように突破力のあるジェルビーニョを孤立させることで一気に守備を切り崩そうとしていた

一方、受けに回る入りとなったミランだが、時間の経過とともにカウンターを軸に反撃を見せ、裏へのロングボールで前線のデストロを走らせながらローマの高く押し上げたバックラインの背後を狙っていく。ミランはWGの本田とボナベントゥーラが中に絞る動きを繰り返すことで相手SBを釣り出し、空いたサイドのスペースにSBのアバーテとアントネッリを走らせてサイドの裏のスペースからローマの守備を崩そうとしていた

ミランの守備は前回のローマとの対戦で見せたシステムを踏襲しており、インサイドハーフのポーリとファン・ヒンケルを前に押し出してボールを奪いに行かせ、SBのサポートは本田とボナベントゥーラをしっかり引かせることで補う。ポーリとファン・ヒンケルがローマのビルドアップのパスコースを遮断し、ここでリスクが広がるバイタルエリアのカバーはデ・ヨングの守備範囲の広さと危機察知能力によって管理させていた

■狙いはインサイドハーフが持ち場を離れて空けたスペース

ローマのビルドアップの特徴は中盤が最終ラインの近くまで落ちることにあり、デ・ロッシがマークされてもインサイドハーフのナインゴランとピアニッチが近づいてサポートに入ることでとにかく数的優位を作り出す。狙いはミランのインサイドハーフのプレッシングを無効化させることで、SBは早々に高いポジショニングを取ることで、ミランの攻撃を担う本田とボナベントゥーラとの駆け引きを始める

そのため後方のボールサイドには極端なまでに枚数が揃った状態となり、ピアニッチとナインゴランは中央のエリアに固執することなくサイドにも流れることで、ミランのインサイドハーフが担当すべきエリアの外にポジショニングさせ、ボール運びでの優位性を保てていた。つまりローマの狙いは、インサイドハーフの選手が持ち場を離れて空けたスペースであり、本田とボナベントゥーラが中に絞ってカバーに入ろうとすれば、望み通りのジェルビーニョをSBとの1対1に持ち込ませるアイソレーションを発動できる仕組みになっていた

これによってミランは高い位置での守備が剥がされると全体をコンパクトに保てず中盤にスペースが広がり、バックラインが押し込まれて引きすぎるような状態に追いやられるという問題が発生する

■ジェルビーニョ負傷を尻目にミランが先制

こうして試合の主導権を握り続けていたローマだが、前半の半ば過ぎに大きなアクシデントに見舞われる。ボール奪取した際にジェルビーニョがハムストリングを負傷してプレー続行ができなくなり、ガルシア監督は左WGの位置にリャイッチを投入する。ローマのもっとも脅威となる選手がいなくなったことでミランは思い切ってラインを押し上げることができるようになり、徐々に攻撃の強度を強めて試合の流れを引き寄せていく。

それまでミランはインサイドハーフとWGの攻撃時の中央での役割が不透明だったために、相手陣地では上手くボールを前進させられなかったが、徐々に味方の動きを囮にしてパスラインを作れるようになり、特に本田の周りでそのような動きが発生していた。理由の一つとして、序盤は中央で構えたまま動かなかったデストロが本田が中に入っている動きに連動して右に流れる動きを見せ始め、攻撃に流動性が生まれるとともにそれまで見られなかったアイディアが発揮されるようになっていた

すると、40分右サイドをドリブルで持ち上がった本田がタメを作ってDFを引き付けてからグラウンダーのクロスを送ると、ゴール前で反応したファン・ヒンケルがワンタッチでゴールに流し込み、ミランが先制する。反撃に出たいローマだが、崩しの切り札であるジェルビーニョがいなくなったことでボールを保持しながら攻め手を欠くような状況に陥ってしまい、ミランが1点リードで前半を終える

■デストロのゴールでミランが追加点

後半もポゼッションして攻めようというローマに対し、カウンターからチャンスを作るミランという構図で試合が推移しており、テンションの高い試合の入りを見せているミランが優位に試合を進めていた。積極的にボールを追ってプレッシャーをかけるミランとは対照的にローマはすっかり攻撃がトーンダウンしており、ボールを保持しても横に動かす場面が増えて攻めあぐねてしまう

ミランは、守備が機能することにより何度も良い位置・良いかたちでボールを得、幾度もローマ陣内を侵攻してゴール前にボールを入れることで、可能性を見出していた。そして、59分右CKの流れからボナベントゥーラからのパスを受けた本田が右サイドでイバルボを抜いて左足で柔らかいクロスを入れると、ゴール前のデストロがヘディングでゴールに押し込み、ミランが追加点を奪う

痛恨の2失点目を許してしまったローマのガルシア監督はすぐにイバルボに代えてイトゥルベを投入するが、ミランのアグレッシブなプレッシングの前にボール運びがうまくいかず、攻撃が停滞されて試合の主導権を握ることができない

■ローマの抱える問題点

ローマの問題点はアタッカーの守備のタスクを整理しきれていないことにあり、最前線に張るドゥンビアはともかく両WGの選手がいずれも中盤をサポートする意識がないためサイドの守備の場面で数的不利に陥ることが多い

ボール運びの中心となっている右サイドにおいて、ミランはアバーテが相手SBを引き付けることで本田をフリーにさせることを意識し、ここで2列目のポーリが裏へ飛び出す動きを見せるためローマの中盤はどっちをマークするのか曖昧になり、結果として本田に自由にサイドのスペースを使われていた。ここでリャイッチやイトゥルベが中盤に落ちれば解決する問題ではあるが、そういった動きを見せないことから枚数的に足りない状況を強いられ、ミランの後方から飛び出す選手を掴まえきれていなかった

ミランの攻撃のパターンはある意味偏っており、サイドからボールを運んでローマの意識を外に向けさせ、裏に飛び出した2列目にゴールを狙わせるというものであるが、飛び出す選手を前線が監視しないローマにとっては非常に効果的なものとなっていた

■ミラン逃げ切りで久しぶりの勝利

現状のメンバーに限界を感じたローマのガルシア監督は、ピアニッチに代えてクラブの象徴トッティを投入し、4-2-1-3の超攻撃的な布陣に変更する。すると、直後の73分PA内右に飛び込んだリャイッチがデ・ヨングと交錯し、主審はローマにPKを与える。このPKをトッティがGKディエゴ・ロペスに読まれながらもゴール右隅に決め、ローマが1点を返す

1点を返したことで勢いを取り戻したローマは、前に重心を置きながら攻勢をかけるようになり、トッティがバイタルエリアで絡んでくることによってワンクッションを入れ、攻撃に変化を加えていた。ミランはここまでハイペースで戦ってきた影響で運動量の低下が見られるようになり、ローマが後方でボールを動かしている段階からラインが下がってしまい、不必要なスペースを与えてしまっていた

中盤が押し上げられず防戦一方のミランに対し攻め立てるローマだが、時間とともに焦りから攻撃が雑になっており、フィールドプレイヤー全員で守る相手に攻めあぐねていた。試合終了間際に判定に抗議したインザーギ監督が退席処分となったミランだが、GKディエゴ・ロペスを中心にローマの猛攻を凌ぎ切り、1点のリードを守り切って勝利する

■試合後の両チームの総括

本田の2アシストの活躍で2位ローマを撃破して連敗を3で止めるとともに、6試合ぶりの勝利を手にしたミラン。メネーズ不在の中、インザーギ監督がチームにハードワークを受け付けることに成功し、各選手がチームのためにプレーする最近見られなかった姿を見せた

痛い敗戦で連勝がストップし、CLストレートイン争いから一歩後退してしまったローマ。攻守の切り替えを徹底できずにミランのカウンターに何度も裏のスペースをやられ、トッティ投入で試合の流れが変わったが及ばなかった

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タグ:サッカー セリアa ローマ ジェルビーニョ ボナベントゥーラ ミラン ピアニッチ デストロ

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